コラム

iDeCoの基本と2026年12月改正のポイント

2026年08月26日(水)

みなさんはiDeCoを活用していますか?

近年の株価上昇を背景に、NISAを利用した資産運用への関心は一段と高まっています。一方で、iDeCoの利用はまだ十分に浸透しているとはいえません。

金融庁や国民年金基金連合会の公表資料によると、2025年12月末時点でNISAの口座数は2,821万口座、iDeCoの加入者数は382万人となっており、利用者数には大きな開きがあります。

NISAと同様に、iDeCoも老後の資産形成を目的として活用したい制度の一つです。そこで今回のコラムでは、iDeCoの基本的な仕組みと、2026年12月の制度改正におけるポイントについて解説します。

 

 

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは?

iDeCoは、老後の資産形成を目的とした私的年金制度の一つであり、証券会社や銀行などの金融機関を通じて利用できます。

日本には公的年金制度があり、老後には老齢基礎年金や老齢厚生年金を受け取ることができます。しかし、公的年金だけでは老後資金に不安を感じる方も少なくありません。そのような場合、iDeCoなどの私的年金制度を活用して掛金を積み立てることで、税制優遇を受けながら老後資産の形成を進めることができます。

iDeCoの加入者は、各金融機関が用意している商品ラインナップの中から運用先を選択します。主な運用商品には、投資信託、生命保険、銀行預金などがあります。

iDeCoの主な特徴は以下の3点です。

・NISAと同様に運用益が非課税になります。

・掛金は小規模企業共済等掛金控除の対象となり、課税所得を抑える効果があります。その結果、積立期間中にも所得税・住民税の軽減効果があります。

・iDeCo内の資産は原則60歳になるまで引き出すことができない。

 

2026年12月の制度改正では、iDeCoの掛金上限額が引き上げられる予定です。掛金の上限額は、国民年金の加入区分や企業年金への加入状況によって異なります。現行制度と改正後の比較は以下のとおりです。

 

国民年金の加入区分および職業など 現行 改正後
第1号被保険者 自営業者、フリーランスなど 月額6万8,000円
(国民年金基金の掛金または付加保険料との合算)
月額7万5,000円
(国民年金基金の掛金または付加保険料との合算)
第2号被保険者 企業年金に加入していない会社員 月額2万3,000円 月額6万2,000円
企業年金に加入している会社員 月額2万円
(企業年金※の掛金との合計で月額5万5,000円が上限)
月額6万2,000円
(企業年金※の掛金との合計)
公務員
第3号被保険者 専業主婦(夫)など 月額2万3,000円 月額2万3,000円
上記以外の70歳未満
(老齢基礎年金やiDeCoを受給していない方)
月額6万2,000円
(次期年金制度改正法案等での措置を検討)

 

上記のように掛金の上限が大幅に引き上げられます。これまで以上に大きな税制優遇を受けながら、老後の資産形成に取り組めるようになります。

※企業年金=DC(企業型確定拠出年金)、DB(確定給付企業年金)

 

参考 : 厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/content/10600000/001365075.pdf

 

 

 

iDeCoの注意点

税制優遇があるiDeCoですが、以下の2点には注意が必要です。

  • iDeCoで積み立てた資金は原則60歳になるまで引き出しができない。
    ※iDeCoに加入している期間によっては60歳より更に後になります。
  • 60歳以降にiDeCoから資産を引き出す際は、一括受取の場合は「退職所得」、年金形式の場合は「雑所得」として、受け取る金額によっては税金が発生する。

まず、iDeCoで積み立てた資産は、原則として60歳になるまで引き出せません。そのため、日々の生活費や子どもの教育資金、車の買い替え費用など、短期~中期で必要な資金としては活用できなくなります。余裕資金の範囲内で、老後の資産形成として取り組むことが大前提です。

 

また、60歳以降の受取時にも注意が必要です。運用益が非課税であり、掛金は全額所得控除の対象となるため、積立期間中は大きな税制メリットがあります。しかし、受取時には退職所得または雑所得として課税対象となる場合があり、受取額や他の所得の状況によって税金が発生するケースがあります。特に、公務員の方や退職金が比較的多い企業にお勤めの方は、受取方法について事前に検討しておくことが大切です。

 

 

まとめ

少子高齢化の進行に伴い、公的年金制度を取り巻く環境は今後さらに厳しくなることが予想されています。また、物価上昇が続く中では、現金のみで資産を保有していると実質的な価値が目減りする可能性があります。

国の年金制度だけに頼るのではなく、自分自身で老後資金を準備する重要性は今後ますます高まるでしょう。NISAやiDeCoなどの制度を上手に活用しながら、自身のライフプランに合わせて早い段階から資産形成に取り組んでいきましょう。

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